新型インフルの前に霞んだ民主党代表選

そりゃ、国民生活にとってダイレクトな脅威なわけだから、国内で新型インフル患者が出たことは大事件だ。
今回の新型インフルエンザは弱毒性だったからよかったのかもしれないが、その分、気がつかずに患者が動き回り、蔓延を抑えるのが難しいというのが困ったところだ。

それにしても、だ。

民主党代表選はあまりにも予想通りでがっかりだった。

今さら言っても遅いのだが、政権交代を狙い、小沢一郎でミソがついた党のイメージを一新させるためにはまったく新しい候補者が出るべきだった。
「愛ある政治」なんて臆面もなく言うような鳩山由紀夫なんかより、私はいっそのこと漣舫が代表になった方がよかったと思いますよ。

そうすりゃ少なくともイメージだけはよくなったはずだ。
国民の関心も民主党に向くでしょう。
今は自民党が、どう考えても後先考えずに大盤振る舞いしてるとしか思えない財政出動で支持率を上げているけど、その揺り戻しは必ずくる。
だって麻生太郎は消費税増税を明言してるんだし、台所を預かっている与謝野馨はもともと増税論者だったのだから。

問題は、今、自民党がやっている大盤振る舞いがほんとうに日本経済を立て直すのに効果的なのかほとんど吟味されていないことだ。
左派ブログでは麻生がやっていることは金持ち優遇だと指摘しているところもあるようだが、マスコミはもちろんのこと経済学者やエコノミストもこの問題を取り上げようとしない。

民主党が代表の首をすげ替えて、本気で自民党を打倒するつもりでいるのなら、今回の代表選は格好の機会だったはずで、徹底的に自民党を批判し、今までの悪政を止めさせる二は民主党が政権を取るしかないのだということを国民に強くアピールできたと思う。
けれども現実には政策の論議すらほとんど行われず(当たり前だ、立候補から投票まで2日しかなかったのだから)、結局、誰が見ても小沢が陰で糸を引いているとしか思えない鳩山由紀夫が「愛ある政治」をやると言って当選してしまった。

なんだよ、「愛ある政治」って一体?
民主党のシンボルカラーをピンクに変えるってか?
今はこういう抽象的なことを言ってる場合じゃないと思うんですけどね。
民主党議員は危機意識を持っているんでしょうか。
私にゃどうも足りてないように思えてならないのだけど。

むしろ民主党は小沢一派と非小沢一派に別れてしまったという印象を残し、なんだ、それって派閥がどうのと言ってる自民党と同じじゃんと国民に思わせてしまった点で、大失敗してしまったのではないかとさえ思えるのだ。